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高森明勅
2015.7.28 01:00

中2自殺、父親は生活ノートを読んでいたか

岩手県での中学2年生の自殺。

詳しく確かな事情が分からないので、
立ち入ったことを言うつもりはない。

ただ、1つ気になっていることがある。

父親は、わが子が担任の教師とやり取りしていた「生活記録ノート」
をきちんと読んでいたのか、どうか。

自殺した中2生は既に1年生の頃、イジメにあっていたという。

その時は、父親も気付いて対応できたようだ。

そんなことがあったのなら尚更、
子供の実態、担任との関係、クラスの雰囲気などを知る
絶好の手がかりである生活記録ノートは、親として当然、
目を通すはず。

と思うのだが、実際はどうだったか?

ノートを読んでいたら、わが子の異変にいち早く気づいたはず。

教師がダメダメなら、そのことにも気付けたはず。

勿論、ノートに書かれたやり取りは、
実際の担任と子供のコミュニケーションの一部に過ぎない。

だから、その全貌も知ろうとするに違いない。

真っ先に、わが子の話に耳を傾け、次に、担任からも事情を聞く。

そこから様々なアクションが始まる。

だが、自殺するまでに、そうした動きをした様子が、
全く伝わってこない。

どころか、報道では、父親は息子の死後、
初めてノートを読んで驚いたとか。

にわかに信じ難い。

しかし、もしそれが事実なら、驚くべき無責任さ。

酷な言い方になるが、殆どわが子を見殺しにしたに等しい。

常識的には、読まなかったとは考えにくい。

が、読んでいて何の行動も起こさなかったというのも、
更に想像しにくい。

奇妙不可解だ。

このことだけが引っ掛かる。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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